酵素消化低分子化フコイダンのがん治療への臨床応用、統合医療を実践しています。

第8回 LMF研究会

日時 2015年8月1日(土)18:00
開催地 福岡県
会場 アクロス福岡
当番世話人 高橋 秀徳先生 医療法人医創会 セレンクリニック福岡院長

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基礎研究報告
照屋 輝一郎先生
九州大学大学院 農学研究院 生命機能科学部門
システム生物工学講座 細胞制御工学分野助教

LMFとナタマメエキスの併用処理による細胞死誘導効果

まとめ
  • LMFとナタマメエキスの併用処理でガン細胞の増殖がより顕著に抑制された。一方で正常細胞TIG-1にはほとんど毒性を示さなかった。
  • ナタマメエキスを分子量5,000以上と分子量5,000以下に分画して、LMFとの併用処理を行った結果、高分子画分の方がより顕著なガン細胞の増殖抑制を示した。
  • ナタマメエキスを分子量分画した結果、分子量5000以下の成分が80%以上を占めていた。
  • 今後はLMF及びナタマメエキス中の活性物質を明らかにし、分子レベルで組み合わせ効果を検証する。

多施設共同研究 最終報告
高橋 秀徳先生 セレンクリニック福岡 院長

進行癌患者に対する、低分子化フコイダン(LMF)による抗炎症作用とQOLに関する探索的検討

まとめ
  • 今回の研究からLMFは、炎症反応に関わるサイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-α)を短期間に減少させる可能性が示唆された。
  • 今回対象となった患者群において、劇的な腫瘍縮小はみられなかったが、上記メカニズムをもつアプローチを抗がん剤治療と併用することにより、炎症性サイトカインが関与する副作用の改善や、抗腫瘍効果を高める可能性がある。

低分子化フコイダン(LMF)の使用経験
川口 光彦先生 川口メディカルクリニック院長

今後の低分子化フコイダン(LMF)製剤の展開
ステージ4期の進行性の悪性腫瘍に対してLMF製剤単独治療を試みても、なかなか成果として現れない。
一方、基礎研究で抗がん剤との併用で、制癌作用の増強は確認されている(白畑教授らの発表) 。
また今回の高橋先生の臨床研究の結果、飲用患者に対して抗炎症効果をもたらす可能性が分かった。
今後、抗がん剤治療する症例に対して、補助療法としてLMF製剤を投与し、効果が確認できる臨床試験を検討したい。
さらに今回、抗がん剤の副反応が抑えられた症例を経験した。
真島先生が前回の会の時に提案されたように、LMF製剤の抗がん剤治療時の副反応軽減調査も検討したい。

酵素消化低分子化フコイダン-CG(LMF-CG)の使用経験
真島 康雄先生 真島消化器クリニック

68歳女性 膵臓体部癌+肝臓転移症例
LMF-CG300g/day、3x+ゲムスタビン点滴&アブラキサン点滴にて著効症例
79歳男性 肝門部胆管ガンOP後の腹腔内リンパ節転移巣の縮小例
下部胆管ガンに対して 膵頭十二指腸切除後の腹腔リンパ節転移に対して従来のLMF 60cc/日+点滴制がん剤での効果が認められなかった症例に点滴制がん剤はそのままで、LMF を LMF-CG:60cc/日へ変更してからリンパ節の縮小効果を認めた症例
86歳女性 肺がんの左顎下リンパ節転移症例
肺がんのリンパ節転移巣に対して、イレッサ内服で効果のなかった症例にイレッサを服用しながら低分子化フコイダンの飲用を行ったらサイズの縮小と栄養動脈の血流が著しく低下し、原発巣の進行も認めていない
肺がんの左顎下リンパ節転移症例 86歳 女性

イレッサとフコイダンの併用が著効であった症例

まとめ
  • 1.肺がんのリンパ節転移巣に対するLMF-CGの効果を確認できた。
  • 2.スタンダードなLMF:120cc/日で効果が少なく LMF-CG:120cc/日では著効であった。
  • 3.LMF-CG:120cc/日による効果の原因は、腫瘍の縮小に先立って腫瘍血管の流速が低下したことにより、抗腫瘍血管作用が考えられた。現在、LMF-CG:240cc/日と増量して経過観察中

濃度依存的に発育を抑制することが示唆された肝細胞癌多発例

肝細胞癌において、LMF-CG の飲用量を増減して腫瘍容積のダブリングタイムの変化を調べた

まとめ
  • 1)LMF-CG の濃度依存性に腫瘍容積のダブリングタイム(T2V)が変動した。
  • 2)60cc/日でも・・T2V が遅くなったが、充分な効果ではなかった。
  • 3)60cc/日でも・・ガンの栄養血管の流速を遅くする効果があった。
     (ただし、癌結節の流速は≦10cm/s に低下するのが望ましく、飲用量の増量が必要と思われた)
  • 4) T2V 遅延の理由は・・LMF-CGの抗腫瘍血管作用が考えられた。
  • 5)LMF-CG 60cc/日では、必要なT2V遅延(T2V= ≧120日)は困難で、HCCの場合は・・最低でも1日120cc の飲用が望まれる。

72歳 男性 HCC症例

LMF-CG 90g/dayのT2-AFPに対する影響の検討
(AFP上昇が明らかに肝細胞ガン由来と思われる症例にて)

考察
  • 1)AFPの倍加時間(ダブリングタイム)を・・4ヶ月後に・・やっと・・1.65倍遅くすることが出来た。
  • 2)LMF-CG単独の場合は効果発現に時間がかかり、・・・LMF-CGの効果が濃度 依存性であることを考慮すれば、LMF-CG120cc/日以上での服用開始が望まれる。
  • 3)時間的余裕がない場合は、300cc/日~400cc/日からの服用が望ましい。

今回のLMF-CG使用経験から

考察
抗がん剤との併用において、LMF-CGは・・少量60cc/日でも効果を期待できるが、 用量依存性に効果が期待できるので・・1日120〜400cc/日が望ましい。 なお、HCCの1結節での検討では、LMF-CG単独の場合、60cc/日でも抗腫瘍血管作用・発育速度の抑制効果を認めるものの、臨床的な効果を期待するためには1日120cc以上の飲用が望ましい。
備考
  • 1)LMFにて効果が不十分の場合は、用量そのままでLMF-CGへの変更により、より良い効果も期待できる。
  • 2)HCC以外の症例の連続3例は、3例共に・・化学療法併用例ではあるが、3例共に腫瘍結節の縮小を認め、LMF-CG併用による抗腫瘍効果の増強があったものと考えられる。

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